犬は1度に何匹の仔犬を産む?犬の生涯出産回数と自家繁殖について。【2023年最新版】
見ているだけで幸せな気持ちにしてくれる仔犬。愛犬の仔犬を残したいと思う人も多いかと思います。ところで、犬は一度に何匹子どもを産むのか?犬は安産というのは本当か?今回は犬の出産をテーマに、犬が1度に出産する仔犬の数や雌犬の生涯の出産回数、自家繁殖で注意すべきところをブリーダーが詳しく解説していきます。
・犬は1度に何匹の仔犬を産むのか
・犬は安産なのか
・犬の出産適齢期と妊娠期間
・犬の生涯出産回数
・犬の出産頭数ギネス記録
・仔犬は売っていいのか
・自家繁殖について
犬は1度に何匹仔犬を産むのか
犬種を思慮せずに言うと、犬が1回に出産する仔犬の数の平均は【5.4頭】です。これはあくまでも全体での平均になります。犬は、大型犬と小型犬で出産数が大きく変わり、犬種や親犬の体の大きさ、母犬の子宮の大きさ、年齢や出産経験数、血縁の距離でも変わります。大型犬では出産する仔犬の数が多く、小型犬では少ない傾向にあります。
大型犬と小型犬の平均出産頭数
・大型犬の出産数の平均【7.1頭】
・小型犬の出産数の平均【3.5頭】
(ノルウェー ケネルクラブ登録224犬種1万810腹の仔犬から調査した結果)
では犬種別の平均はどうなのか。一部の人気犬種の出産数の平均をみていきます。
犬種別平均出産頭数
・トイプードル【3頭】
・チワワ【3頭】
・パピヨン【3頭】
・シー・ズー【4.2頭】
・柴犬【4頭】
・ブルドッグ【5頭】
・ビーグル【5.1頭】
・ボーダー・コリー【5.7頭】
・ゴールデン・レトリーバー【7頭】
・フラット・コーテッド・レトリーバー【7.6頭】
上記を見ても大型犬のほうが出産頭数が多いことがわかります。
犬は安産なのか
昔から「犬は安産の守り神」とも言われ、安産祈願のお守りに犬の絵が使われていることもあります。実際にはどうなのか。犬は1度に多くの仔犬を出産することから、そんなイメージが付いたのかもしれませんが実は安産とは限らないのです。人や他の動物と同様に出産にはリスクがあり、小型犬は難産になりやすい傾向があります。中には自然分娩に向かなく、帝王切開術(お腹と子宮を切開して赤ちゃんを取り出す手術)を用いての出産が基本の犬種もあります。
帝王切開での出産が推薦されている犬種3種
・ブルドックとフレンチブルドック
ブルドックは「ブル(雄牛)」「ドック(犬)」という名前の由来から、闘牛目的に改良された犬種です。改良が重ねられた際に、前駆に重みを置いていたことが原因で骨盤が小さくなりました。この骨盤の小ささと頭部の大きさのバランスが不自然なため、ブルドックは帝王切開を前提として出産が行われます。
・チワワ
チワワをはじめ、母犬の骨格が小さい犬種は帝王切開術を用いての出産になることが多いです。ブルドックのように計画的に帝王切開を選択することは少ないですが、超音波エコー検査、エックス線検査などの画像診断を行い、胎子と母犬の状態をみていくことがとても大切です。
また、上記の犬種以外でも母犬や胎子の様態で緊急帝王切開術を行う例も珍しくありません。
難産になる傾向がある犬種
・ブルドック
・フレンチブルドック
・チワワ
・ボストン・テリア
・パグ
・ペキニーズ
・狆
・ヨークシャー・テリア
・シー・ズー
犬の出産適齢期と妊娠期間
犬の出産適齢期
雌犬の発情期は年に2回あります。初回の発情は大型犬と小型犬では異なり、小型犬は生後7~10か月頃、中型犬と大型犬は生後8~12か月頃に訪れます。初回の発情出血があれば肉体的には妊娠できますが推薦されてません。理由は初回の発情が来ても、体が成犬になりきれてないことが理由です。母犬の体への負担が大きいので、2回目の発情で妊娠させることが推薦されています。また、ブリーダー業における交配時の年齢には規制があり、交配時の年齢は6歳以下と法で定められています。
犬の妊娠期間
犬の妊娠期間は短く、交配してから約63日で出産に至ります。妊娠期間は約2ヶ月で予定日の3日以内のズレは正常範囲とされています。
犬の生涯出産回数
犬の出産に関しては様々な規制がありますが、出産回数にも法的な規制があります。生涯出産回数については6回までです。
犬の出産頭数のギネス記録
場所はイギリスのケンブリッジ。ブリーダー業を営むダミアン・ウォードさんの飼い犬の「ティア」が一度の出産で最も多くの仔犬を産んだ犬としてギネス記録に認定されました。記録は【24匹】です。ティアの年齢は2歳で犬種はナポリタンマスティフです。2004年11月29日、動物病院での帝王切開術が施され、お腹の中にいたのは雌が9匹、雄が15匹でした。この出産数はそれまで最多だった23匹の記録を塗り替え、2005年から新たにギネス記録として認定され、2023年現在ではこの記録を超えられていません。
写真 ナポリタンマスティフ
仔犬は売っていいのか
「第一種動物取扱業者」の届け出がないと犬の販売はできません。「知人に犬を譲り、気持ちでの金銭を受け取る」ということも含まれています。これは、動物愛護管理法に定められています。第一種取扱業者ではないのを知ったうえで犬の買収を行うと、売り手と買い手と両者が罰せられます。
自家繁殖について
愛犬の子どもを残したいと思うのは、犬を愛する飼い主なら普通のことだと思います。ですが、一般家庭で犬を出産させるのは残念ですがデメリットがはるかに多く、推薦できません。上記で説明した通り犬は安産に限らないからです。死産であったり先天性疾病、遺伝性疾病、奇形を持って産まれることもあります。そのため、遺伝病の管理、毛色や大きさによる交配のタブー、新生児の管理や育児の専門的な知識など、沢山の知識が必要になります。犬を販売しても良い第一種動物取扱業者は、1年以上の実務経験や指定された資格などが必要で、その知識をもって繁殖を行うのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。生命の誕生にはリスクもあり感動もあり、とても神秘的です。これから犬を飼おうとしてる方、飼われている方、その犬がどのように生まれてきたかを考えてみるのも良いかもしれません。この記事を書きながら、私自身、今ある命に感謝して大切にしていこうと改めて感じました。
他の犬の雑学はこちらをクリック!