犬が掘るのは病気の兆候?カーペットやソファー、場所と時間で違う心理&対処法【2023年最新版】

犬が一生懸命掘る姿は微笑ましいです。ですがソファーやカーペット、床などは掘られてしまうと困りますね。そもそもなぜ掘れないところも掘るのか?犬が掘るのは単なる【習性や癖】なのでしょうか。実は掘る場所や時間によって意味や心理は異なります。

今回は犬の【掘る】という行動をテーマに「掘る場所と時間でみる犬の心理、やめさせ方」などを、30年以上犬と暮してきたブリーダーが専門知識と経験をもとに解説していきます。

・犬が掘る基本の心理      
・土や砂、雪を掘る       
・カーペットや布団を掘る    
・床やソファー         
・毎日同じ時間、タイミングに掘る
・飼い主を掘る         
・掘ることで疑われる病気    
・やめさせ方           
・さいごに           

犬が掘る基本の心理

犬にとって掘る行動は狼時代から受け継ぐ習性です。「感情表現」「温度調節」「不安やストレス」「病気」様々な理由があります。掘る場所ごとで分けて見ていきます。

土や砂、雪を掘る

犬が土や砂を掘るのは「習性」でることが多いです。

・土や砂の中に物を隠す
犬は土の中に食べ物やお気に入りのおもちゃを隠す習性があります。

・温度調節
 日差しで温度が高くなった表面の土を避け、心地よい寝床や休憩スペースを作ろうとしています。

・遊び
 土を見ると大喜びで土を掘る犬がいます。犬が穴を掘るのは習性でもあり遊びでもあります。

カーペットや布団を掘る

・安心感を得るため
睡眠前や休憩するとき、その場所を掘る犬がいます。これは掘った時に舞い上がる自身のニオイや飼い主のニオイを舞い上がらせる目的があります。自身のニオイや大好きな飼い主のニオイで「安心して休みたい」という心理が働いています。

・セッティング
犬は眠るときカーペットや布団を好みの形にセッティングすることがあります。形を変えて満足そうにその上に眠るときは寝床のセッティングが目的のことが多いです。

床やソファーを掘る

・暇つぶし
 形の変わらない床やソファーを掘るときは、単なる暇つぶしであることが多いです。

・ストレス
 寝る前のセッティングや遊びの様子とは違い、ソファーが破れるほど、床に傷が付くほど夢中で掘り続けるのはストレスであることが多いです。このストレスは運動不足からくることが多いので、散歩をしたり遊んであげることが必要です。

毎日同じ時間、タイミングに掘る

・ルーティン
 朝起きたとき、ご飯のあと、毎日決まった行動のあとや時間に穴を掘る場合は、ルーティンである可能性があります。

飼い主を掘る

・不安
 犬は不安があると穴を掘って巣穴を作り、その中に身を隠す習性があります。サイレンや雷、工事の音や環境の変化など不安があるときに飼い主のそばで穴を掘る行動で心を落ち着かせようとすることがあります。

・遊んでほしい
 穴を掘るのは遊びの一環でもあります。飼い主のそばで穴を掘るのは一緒に遊ぼうとアピールしていることが多いです。

・そばで眠りたい
 寝床作りで穴を掘る習性を持つ犬が、飼い主のそばで穴を掘るのは安心して近くで眠りたいと思っていることが多いです。

掘ることで疑われる病気

・認知症
 老犬が長い時間掘り続けるのは認知症の可能性があります。認知症には他にも様々な症状があり「同じところをグルグルまわる」「不適切な排泄」「無駄吠え」「狭い所に入り出られなくなる」「昼夜逆転」など他にもたくさんあります。認知症には予防方法や様々な治療方法があります。獣医師に相談することが必要です。

・常同障害
 常同障害は犬の精神病です。環境の変化や運動不足などのストレスから発症します。常同障害にかかると心の安心を求め、ひたすらに意味のない行動を繰り返します。その行動の一つに穴掘りがあげられます。この場合「話しかけても反応しない」「1日に何度も繰り返す」「一心不乱になっている」など、遊びとは違う様子が見られます。ストレス環境の見直しや、ひどければ獣医師に相談する必要があります。

やめさせ方

・穴掘りして良い場所を決める
・楽しい遊び、おもちゃを与える
・散歩や運動の時間を増やす
・ストレスなど環境を見直す
・安心できる寝床を用意する
・犬のしつけスプレーを使う

さいごに

犬が遊び目的や安心を求める理由で穴を掘るのは、無理にやめさせる必要がないと私は思います。ここは良い、ここはダメとルールを決めてあげると飼い主さんと愛犬にとって、良い環境になると思います。